徐々に涼しくなってきましたが皆さんはどのようにお過ごしですか?夏の疲れがなかなかとれないアモウシです。
今回は、前回(Vol.4)に続きペンギンの血液と血液塗沫で発見できる病気を紹介したいと思います。
まずはペンギンの血液塗抹を見てみましょう。
僕たち人間やイルカ、アシカなどの哺乳類と違って赤血球の形が楕円形で紫色の丸いのが入っていますね。これは「核」と言って中には「DNA」が入っています。簡単に言えば生物を作る設計図みたいなものです。ペンギン以外つまり鳥類の他にもジンべエザメなどの魚類も同じような赤血球です。
赤血球の形は違いますがペンギンやジンベエザメなども定期的に採血をして観察しているんですよ。
では血液塗沫でわかるとある病気を紹介しましょう。
皆さんは「鳥マラリア」って知っていますか?人間は大丈夫ですが、スズメやカラスなどの鳥が感染する病気です。つまり動物園や水族館のペンギン達にも関係があるんです!
では鳥マラリアの血液塗沫を見てみましょう。
赤血球の中に別のものが入ってるのが分かりますか?これが実は、寄生虫なんです!名前は「マラリア原虫」と言います。なんでこんな病気になるかというと、マラリアを持った蚊に刺されると感染してしまいます。怖いことに発症すると死んでしまうこともある病気です。なので僕たち獣医が早く見つけて、治療をするんですね。
皆さんもただの虫刺されだと思ったら、怖い病気に…なんてことがあるかもしれないので、気になったらすぐにお医者さんへ行きましょうね!