冬のイルカショーはトレーニングセンター内のプールで行われます。ショーは毎日行われ、その為にプールを常にキレイに保つ必要があります。しかし屋内プールの海水はボイラーを焚いて加温しており、水を抜くとせっかく温めた海水が冷めてしまう為、水を抜いての掃除はできません。潜水掃除もショーが行われる合間で行うにはとても時間が足りません…ではどうやって、掃除をするのか?
答えは簡単!
デッキブラシで磨きます。しかし!ただのデッキブラシではありません。実はこんなに長いのです!
全体の長さはなんと約5m!当館で飼育しているジンベエザメと同じくらいの長さです。広く深いプールの真ん中まで磨くにはこれくらいの長さが必要なのです。
しかし!ここのイルカたちはそう簡単にプールを磨かせてくれません!
ひとたびデッキブラシをプールに入れた瞬間、好奇心旺盛なイルカたちは「なんかきたぞ!」…とばかりにブラシの周りを泳ぎ回ります。そうなると水面がまるで静かな海に嵐が来たかのように大きく揺らぎ、目標としていた汚れた部分が見えなくなります。そうなってしまうとよく目を凝らして磨かないと汚れにムラができます。
心の中でイルカ達に今は遊んでいるんじゃないよ~と思いつつ、このように屋内プールは数日かけて地道にコツコツと磨いていくのです。
(こざかなくん)