皆さん、こんにちは!新年度を迎えいかがお過ごしでしょうか?
4月に入って、日中は暖かい日が増えてきましたね。それに応えるように水族館の近くにある桜も徐々に蕾が開き始めております。春の訪れに喜ぶ一方、花粉に悩まされている方も多いのではないでしょうか?鼻がグズグズ、目がショボショボといった症状が出始めると「あぁ、今年も春が来たんだなぁ…」と私は毎年しみじみとしてしまいます(笑)。
桜の開花や花粉?等々、春の訪れを教えてくれる「風物詩」はたくさんありますが、水族館にもこの時期に旬を迎える魚がいるのです。その魚とは…こちらです!
あれ?小さくて何だかよくわかりませんね…(汗)
それではもう少し近づいてみましょう!
はい、ようやく見えましたね(笑)。この魚はシロウオというハゼ科の魚です。北陸地方では「イサザ」と呼ばれています。体は氷のように透き通っていて、英名で「アイスゴビー」というのにも納得させられます。
シロウオは普段、海の浅瀬に暮らしているのですが、春になると川を遡って産卵する魚なんです!産卵のために川を遡るシロウオを四手網等で捕獲する「シロウオ漁」が各地で行われており、春の風物詩になっています。ちなみに、獲られたシロウオは「卵とじ」や「お吸い物」の他に生きたまま酢醤油につけて食べる「踊り食い」という一風変わった方法で賞味されます(汗)。
現在このシロウオを展示しているのですが、彼らに餌を与えた後、面白いことが起こります。
面白いこと?さて何が起こるのかというと…こうなります!
お腹にご注目!……おやおや?オレンジ色に染まってますね。一体どういうことかというと、実はコレ…餌自体の色なんです!当館ではシロウオにアルテミア(小型のプランクトン)を与えているのですが、その餌はオレンジ色をしています。透き通った体をもつシロウオは、餌を食べるとその餌自体の色がお腹に染まり、食べているかいないかは一目瞭然というわけです。ですから、飼育係としては大変ありがた~い魚なのです(笑)。
そんなシロウオたちは産卵を終えると死んでしまう年魚(寿命が1年の魚)です。そのため、現在展示中のシロウオもいつ産卵して、死んでしまうかわかりません。シロウオたちが元気な今のうちに是非一度ご覧になってください。きっと、春の訪れを感じることができますよ。
(見習いガッパ)