カラフルな魚たちが泳ぎ回り、きらめく太陽の光を一面に浴びるサンゴ礁の風景、みなさんも写真やテレビの映像で一度は見たことがあるでしょう。サンゴといえば暖かい海のイメージが先行するかと思いますが、のとじまの海にもサンゴの仲間が生息しています。水深数十mに仕掛けられる刺し網漁では、色鮮やかなジュウジキサンゴやニホンキサンゴなどが混獲されます。漁師さんの所へ行って話を伺うと、岩場に網を仕掛けた際に引っかかってくるらしく、網から外されボロボロになって陸上に捨てられている姿をよく目にします。大きなサンゴの塊が網にかかった場合は、連絡をもらいますが、水族館ではそのように無造作に捨てられている個体を拾い集めて(もちろん漁師さんの了解を得て)展示しています。
漁師さんにとってはゴミ同然に捨てられる一方で、水族館にとっては貴重なお宝となることはよくあります。
今回は、展示替えをして、そのように地道に集められたサンゴたちの水槽を作りました。暖かい海に棲むサンゴとは一味違った、神秘的な“美”を感じて頂けるのではないかと思います。