皆さん、こんにちは!能登島は気温がグッと下がり、朝には車のガラスが凍りつく日もチラホラ増えてきました。これから本格的な冬に突入していくのでしょうね。そんな寒い季節に心がほっこり温まる出来事がありましたのでご紹介したいと思います。
月日は今月上旬の11月3日、文化の日のことです。開館前、飼育係がペアで飼育しているコツメカワウソ水槽へ見回りに行くと、すでに起きて走り回っていたり、泳ぎ回っていたりしていることが多いのですが、その日は展示水槽に設置している寝小屋から全く出てきません。大好物のキャットフードを撒いても食べにくる気配すらありません。心配になって寝小屋を覗き込むと…なんと2頭が赤ちゃんを抱いていたのです!以前からレベッカ(♀)のお腹が大きくなってきているな~っというのは見てわかる程でしたが、あまりにも普段通りで飼育係もまさかっ!という感じでした。レベッカは初産でしたが、出産による体調不良等もなく、あっけらかんとした様子。2頭は寝小屋の中の寝袋に赤ちゃんを入れているようで、当初は全部で何頭出産したのかわかりませんでした。確認しようにも、いつも顔を見ている飼育係でさえ、近づき過ぎると警戒して威嚇する始末。しばらくは距離を取った状態でカワウソ親子を見守ることになりました。最も心配されたのは育児です。授乳はしているか?赤ちゃんの排泄を促しているか?等々心配は尽きません。…っが、我々の心配をよそに2頭とも甲斐甲斐しく子育てに取り組んでいるようで、赤ちゃんの元気な姿や鳴き声も度々確認できるようになりました。気になる赤ちゃんの頭数ですが、3頭いることもわかりました。しかし、まだ目は開いておらず、歩くこともできないため、移動の時は親が口に咥えて運びます。
寝小屋の中で眠る生後14日目の赤ちゃん
さて、赤ちゃんたちが産まれて、もう3週間以上経ちました。産まれた時は小さかった赤ちゃんたちも、今ではかなり大きく成長しているようで、口に咥えて運ぶ親も一苦労といった感じです。母親は元々遊び好きなため、最近では授乳を終えると寝小屋の外を出回ったり、水中を泳ぎまわったりすることが増えてきました。一方寝小屋に残された父親のヨツバは子守りに専念しているようで、子煩悩ぶりを発揮しています。たまにヨツバが赤ちゃんを咥えて寝小屋から出し、外に出ているレベッカに「お~い!早く帰ってこ~い!」と言わんばかりに見せつけ、帰りを催促することもありますが…(笑)。ややヨツバが尻に敷かれている感は否めませんが、両親とも初めての子育てとは思えない程、役割分担がしっかりしているので、親になると責任感のようなものが芽生えるのかと思わずにはいられません。これからも赤ちゃんたちは両親の愛情を一心に受け、すくすくと成長していくことでしょう。飼育係はそんなカワウソ一家をしっかりサポートしていこうと思います。
(見習いガッパ)